Prototyping School Newsletter | 大学生向けプログラム、ぶち上がりました。
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Prototyping School Newsletter | 大学生向けプログラム、ぶち上がりました。

皆さんこんにちは!プロトタイプの学校の企画・運営を行っているIDEO TokyoのDiceと申します。プロトタイプの学校の一つの役割として、星の数ほどあるAI/ノーコード/デザインツールから、最もビギナーフレンドリーなものをキュレーションし、その合せ技を考案する、という責務があります。そこで最近思うのが、結局Canvaすごい、ということ。誤解を恐れずに言えば、デザイナーからはあまり人気の無いツールです。イラレやフォトショほど細かく作り込むことはできない一方で、クライアントからはCanvaで制作依頼されることが増えているから。でも、プロトタイプの学校の観点から見ると、これほど実用的な素材が無料で用意されていることに加え、カラーパレットやフォントのペアリングなど専門的知識が必要となるところも良い具合に抽象化されていて、さらには同じ操作性でチラシからウェブサイト、動画まで作れる、というのは凄まじいことだと思います。多くの人が使いたがる理由にも納得です。

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大学生向けプログラムの学生たちもみんなCanva使ってました。

さて、今回のニュースレターは、つい先日幕を閉じた大学生向けプログラムの一期目についてレポートします。

絵に描いた餅ではなく、食べられる餅を。

 

このニュースレターでも再三言ってきましたが、プロトタイプの学校で何よりも重視するのは、アイデアの質やインサイトの深さではなく、そのアイデアを形にして、対象者に届けるところまでやり切る、という点。90点のクオリティでユーザーに手渡せていないものを作るよりも、40点でいいからユーザーに手渡して、その人の人生に少しでもいいからポジティブなインパクトを与えることを目指す。そのために、この学生向けの12週間プログラムは、セオリーを限界まで削ぎ落とし、デザインやエンジニアリングの背景が一切ない人でも、12週間で「食べられる餅」を作りきれるようなカリキュラムとなっています。結果として、最終日のDEMO DAYでは見事にMVPを作りきり、それを実際に対象ユーザーに使ってもらうところまで多くの学生が到達しました。そんな学生たちの言葉を元に、本プログラムで得た3つの学びを紹介していきます。

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大学生向けプログラムのカリキュラム

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12週間にわたって行ったプログラムの様子

1. 「デザインで課題解決と謳って提案ばかりしてきたが、本当に誰かの課題を解決できたのは今回が初めてかもしれない」

プロトタイプの学校では、目の前のたった一人の課題をちゃんと解決できない人が、社会課題を解決できるはずが無かろう、というスタンスをとっています。そのため、本プログラムでは「半径10m以内の大切な誰かの困りごとを解決する」ことが最終課題となっています。学校でも企業でも、SDGsなどの大きな問題に目が行ってしまいがちですが、まずはたった一人のための目の前の課題に取り組み、そこで小さい成功体験を積み上げることでノウハウや自信を付けより大きな課題に有用的に取り組むことができると考えています。このアプローチが生徒たちにもちゃんと共鳴していたようで、嬉しい限りです。

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半径10m以内の大切な誰かの困りごとを解決したMVPたち

2. 「クリエイティブに必要なスキルを広く『形にできる』レベルで提供してくれた」

プロトタイプの学校は、デザインスクールでも、エンジニアリングスクールでもありません。むしろそのどちらでも無く中途半端なポジションにあるという懸念もありました。しかし、余計なノイズを限界まで削ぎ落とし、ただただ初学者が「形にする」ためのノウハウを提供できている場所が案外ほとんど無く、それこそがユニークな価値であるということが再認識できました。理論が不要、とは全く思いません。むしろある程度作れるようになると理論が欠かせなくなります。でも、ギャル電さんが言っていたように、「ちゃんとした技術と知識はマジリスペクトだけど、うちらは今週末のクラブでLED光らせたいだけ」なのです。

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CADを覚えたての学生が3Dプリントした、花好きなお母様のための花立て

3. 「Dice さんにいつでも質問できるという安心感があった」

プロトタイプの学校では、連絡ツールとしてSlackを利用しています。12週間通して、そのSlackグループでいつでも僕や他のIDEOメンバーに質問ができる、という状態そのものが本プログラムの隠れた価値であることが分かりました。何事においても、行き詰まったらすぐに聞けるという安心感が上達の近道。心理的安全性を確保した相談窓口を常に設けておくことは、こちらの負担としても簡単ではありませんが、それを死守することがこのようなプログラムの成功の必須条件となることを痛感しました。なお、その心理的安全性は、いつでも質問を受け付けている仕組みを作ることも大事ですが、それ以上に我々IDEOメンバーも多くの場合答えを知ってる訳ではなく、一緒に試行錯誤し探究する仲であることを体感してもらえたことが大きかったように思います。

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最終日のDEMO DAYの様子

プロトタイプの学校の兄弟分である『d.camp』が今年も開催されます

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プロトタイプの学校は、実用性と実践可能性を最大限高めるために、大学生アッパーを対象としていますが、実はIDEO Tokyoには強烈な食前酒的な存在として、中高生向けのd.campも毎年開催しています。今年で5年目となる本キャンプは、「ヘンテコで愉快なクリエイティビティの世界への第一歩」と称して、ただただクリエイティビティを使って学校ではできないようなアクティビティで遊び倒す5日感となっています。申し込みの締切は7月14日(金)まで。回りに中高生がいらっしゃる方は、是非ご周知ください!

d.campへの応募はこちらから
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